光藤　佐		高野利明

さびしさに草の庵を出でてみれば 　　　　稲葉おしなみ秋風ぞ吹く　　　-良寛- 　 すっかり秋めき風の寒さに身を震わせる日もありますが、 秋は鑑賞の秋でもあります。今回ＤＥＮにて二人展を 催すのは、年令も経歴も地域も違うお二人ですが、 どことなしか共振するものを感じます。 それは、秋風に波うつ稲葉にも似て、ごく自然な共振。 陶工たちに綿々と受け継がれてきた技と心。それが風なら、 真摯な陶工たちよって作られてきたうつわは稲葉。 風に抗うことなく、しなやかに身をしならせる稲葉。 そんな作品たちを、お二人は作られているような気がします。 光藤　佐さん（兵庫）と高野利明さん（茨城）です。 　 それでも、お二人の個性の違いは、まず作品の大きさを見て ははぁとうなづいてしまいます。光藤さんは、小さめ。 高野さんは、大きめ。そして繊細という言葉が似合うのは光藤さんで、 大胆という言葉が似合うのが高野さん。 お二人の作品を見比べると、東と西の文化的相違も見えてくる。 貴族的、武士的などと言ってしまえば、簡単だが 補いあってきた日本の歴史も認めたくなる。

光藤佐（Tasuku　Mituhuji） 1962　宝塚市生まれ 1980　京都府立陶工職業訓練校専攻科卒業 1986　京都精華大学美術学部卒業 1989　大屋町にて独立 以降 　荻窪銀花　ぎゃらりー工芸舎などで 　個展多数。

高野利明（Toshiaki Takano) 1968　笠間市生まれ 1987　茨城県窯業指導所修 1990　笠間市本戸にて独立、築窯 1992　インド　ネパール遊学 以降 　もえぎ、高島屋　松屋などで 　個展多数。

光藤佐の出品作を見る

高野利明の出品作を見る

topに戻る