陶器を買う行為について

作家ものの陶器は、ほかの日常品に比べて値段がやや高い。
量産品と手づくりのひとつものとは、おのずと価格差が生まれるのは当然である。
けれどそれが、自分の基準を超えていると話は別である。
自分の経済観念と商品の付加価値性とのバランスの問題になってくる。
一般的にいって陶器は大きさによって価格が違う
大きくなるほど多くの土と釉と窯のスペースと作り手の神経と技術を多く使うからである。
それ以外の場合は、付加価値だろう。
芸術性だとか、希少性、流行、作家の知名度などが価格に影響する。
私のだいたいの目安は、3千円、5千円、1万円、2万円。
気に入ったものは、3千円以下ならまず買う。
3千円と5千円の間が悩み所でしょう。(DENの商品もこのくらいが一番多いです)
日用品の陶器で(カップ類、椀、小鉢、くみ出し、片口、向付け)で
5千円を超えるものは、少し付加価値が付いていると考える
そして、1万円を超えるようなものは、付加価値が高いもの、
2万円を超えるようなものは、べらぼうに付加価値の高いもの=芸術作品のようなものである。
私の価値観では、2万円が日常使いの限界線でしょうか。(大物や花器や茶器などはまったく別です)
でも1万円以上のものを、日用に使う事に躊躇する方は多いでしょう。
でも是非使ってみて下さい。毎日使う気にはなれませんが、週に一度くらいは使いたくなるものです。
私もよく洗い物をしますが、付加価値の高いものは、別に洗います。
そして、ゆっくり洗います。洗いながらも、愛でる事ができます。
運良く割れないで一生使えれば、かけがえのないものです。
さらに子供が形見として使ってくれればその価値たるやはかり知れないものです。
陶器は割れる可能性を秘めているからから愛おしいのですが
オゾン層を破壊してしまうフロンのごとき人工的な物質は、
自然に壊れるまでに気の遠くなるほど永い時間かかるそうです。
そういうものは、煮ても焼いても食えない古女房みたいで、大変憎らしいですが、
陶器は、初恋のごとき壊れやすさがその価値を高めていると思います。
それでも割ってしまった時は、再生を試み、
それでもダメなときは、潔くあきらめましょう。細かくすれば土に帰ります。

私は、高価な陶器を買うときには、それが割れてしたまった時にも
涼しげな平常心でいられるような高級な諦観、無常観みたいなものを
いっしょに購入したい
と思ってます。
買う事が精神を高める、と考えるようにしています。
かといってDENにはあまり高いものはありませんよ。
安心してご来店くださいね。

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